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トルコ南部地震についての声明

トルコ南部地震についての声明

2023年2月17日
日本西アジア考古学会 会長 三宅 裕

 2月6日、現地時間の未明に発生したトルコ共和国カフラマンマラシュ県を震源とする地震は、トルコと隣国のシリアに甚大な被害をもたらしました。震災により亡くなられた方々に心よりの哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げます。
 調査の際に訪れたことのある街の変わり果てた姿にはただ言葉を失い、被災された方々の不安、心労を思うと、やるせなさだけが募ります。西アジアの地で調査・研究に携わってきた多くの会員から組織されている本学会としましては、被災地の一日も早い復興を切に願うとともに、被災された方々や地域に対して、学会として何ができ、何をなすべきなのか、私たちの果たすべき役割について考えてまいりたいと思っております。
 現時点では人命救助・人道支援が最優先の課題ですが、被災地の状況がある程度落ち着きを取り戻した段階で、関係する機関・組織とも連携を図りながら、博物館や文化遺産の被害状況に関する情報収集を進め、現地のニーズを把握した上で、有効な支援・協力の道を探っていきたいと考えております。
 まだ寒い被災地に、一日も早く暖かな春の陽光がさす日が来ることを願ってやみません。

*学会では義援金等の受付はしておりませんが、下記のサイトなどで受付機関のリストを見ることができますので、積極的なご支援をよろしくお願いいたします。
〔NHKのサイト〕
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230207/k10013973521000.html

Statement on the Earthquake in Southern Turkey

February 17, 2023
Yutaka Miyake, President of J.S.W.A.A.

 The earthquake that struck the Kahramanmaraş province of the Republic of Turkey in the early hours of 6 February, caused extensive damage in both Turkey and neighboring Syria. We express our deepest condolences to those affected by the earthquake, and our heartfelt sympathy to friends and family of the victims of this awful disaster.

 We are at a loss for words at the sight of the damage to towns we have visited during our research in the affected region, and feel helpless when we think of the anxiety of the people suffering during this terrible disaster. As an organization made up of members who have been involved in research in southwest Asia for a considerable period of time, we sincerely hope that the affected areas will be returned to normalcy as soon as humanly possible, and consider it our duty to do whatever we can for society there to support those in need.

 At the moment, the most pressing priorities must be lifesaving and humanitarian assistance. Once it is appropriate, we would consider it an honor to work with relevant institutions and organizations to gather information on the damage caused to museums and cultural heritage, determine local needs, and explore effective ways to provide support.

 We hope that the healing light of spring will help those in need.


アインダーラ遺跡の保護に関する写真提供のお願い

6⽉1⽇付で筑波⼤学⻄アジア⽂明研究センターより、シリア・アインダーラ遺跡の保護に関する写真提供の依頼がありました。
関連地域の遺跡・文化財の保護は、会則第3条に掲げていますように、当会の目的を達成するための事業のひとつでもあり、これまでも重要な事業として取り組んでまいりました。
会員の皆様のご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

なお本件に関しましては、学会での取りまとめは致しませんので、個別にご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。

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平素よりお世話になっております。
さて、筑波⼤学⻄アジア⽂明研究センターでは、令和3年度に「シリア・アラブ共和国におけるアイン・ダーラ遺跡の保護のための⼈材育成事業」(⽂化庁⽂化遺産保護拠点交流事業)を実施いたします。
本事業で対象とするアイン・ダーラ遺跡は、シリア北部に所在する、紀元前10世紀頃に遡るシリア・ヒッタイト式の⽞武岩製の神殿遺跡であり、東地中海沿岸に興隆した多様な神々の信仰と礼拝の様⼦を反映する神殿遺跡として、考古学的にも歴史的にも⾮常に重要な遺跡といえます。また、アイン・ダーラ遺跡においては、過去に⽇本隊による保存修復事業も実施され、⽇本との関わりも深い遺跡です。
しかし、国内外のメディアで報道された通り、2018年1⽉にトルコ空軍による空爆によって、遺跡が深刻な被害を受け、劣悪な保存状態にあります。そうした状況を受け、筑波⼤学では、「シリア・アラブ共和国におけるアイン・ダーラ遺跡の保護のための⼈材育成事業」の⼀環として、アイン・ダーラ遺跡の被害状況を詳細に記録し、後世に伝えるべく、現地の専⾨家と協⼒し、情報収集およびドキュメンテーション作業を⾏う予定です。
つきましては、2018年以前のアイン・ダーラ遺跡を撮影した写真をお持ちの⽅がいらっしゃいましたら、写真を破壊後の遺跡の状況と⽐較し、ドキュメンテーション作業の参考にいたしたく、ご提供いただけますようお願い申し上げます。
写真をご提供いただける⽅は、下記連絡先までお問い合わせください。

[連絡先]
筑波⼤学⻄アジア⽂明研究センター
Email: rcwasia@hass.tsukuba.ac.jp
sari-0088@hotmail.com(担当:ジャンモ・サーリ)

[写真について]
– デジタルデータでお送りいただける場合は、解像度は 300dpi 以上のものをご⽤意ください。
– プリント済みのものをお送りいただける場合は、こちらでスキャンした後に返却いたします。
– 詳細は、⻄アジア⽂明研究センターにお問い合わせください。

なお、筑波⼤学では、これまでの、シリア内戦下で破壊の危機にある⽂化遺産の保護・継承に資するべく、様々な事業を継続して実施してまいりました。事業の成果は、下記⻄アジア⽂明研究センターの URL からご覧いただけます。
http://rcwasia.hass.tsukuba.ac.jp/bunka/

筑波⼤学⻄アジア⽂明研究センター
〒305-8571 茨城県つくば市天王台 1-1-1
Tel: 029-853-5441
E-mail: rcwasia@hass.tsukuba.ac.jp
https://rcwac.histanth.tsukuba.ac.jp


日本学術会議第25期推薦会員任命拒否問題に対する声明

日本学術会議協力学術研究団体である日本西アジア考古学会は、
同会議第25期会員候補者の一部が理由を示さず任命されなかったこと、
ならびに、それによって混乱が生じていることを憂慮しています。
速やかな解決が図られ、日本学術会議が所期の活動に専念できることを望むものです。

 

日本西アジア考古学会 役員会
2020年11月


「日本西アジア考古学会」YouTubeチャンネル開設!のお知らせ

「西アジア考古学オンライン講義」を配信します!

5月14日夜に全国39県において緊急事態宣言も解除され、少しずつですが日常を取り戻しつつあります。
しかし、いまだ学会や講演会等の自粛が続いております。
一方、学会には講演会等の早期再開を望む声も多数寄せられています。

そこで、このような声に少しでもお答えするために、日本西アジア考古学会は、新たにYouTubeに「日本西アジア考古学会」チャンネルを立ち上げ、しばらくの間「西アジア考古学オンライン講義」を配信していくことにしました。

日本隊が実施する発掘調査の最新成果や、西アジア地域の最新研究動向などを日本西アジア考古学会会員が講師となって配信していく予定です。

さっそく、3月に中止となった「西アジア発掘調査報告会」にエントリーしていた方から動画が届きました。今後も追加があり次第、アップしていきます。
このような時だからこそ、皆様、ぜひゆっくりと楽しんでいただければと思います。

日本西アジア考古学会YouTubeチャンネルにいくには、こちらをクリックしてください。


訃報(岩崎卓也元会長)

会員各位

2000-2001年に会長を務められた岩﨑卓也先生が、2月4日午前にご逝去されました。
先生の御功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。
ご葬儀は、以下の要領で執り行われます。

日時:平成30年2月9日(金)午前11時〜12時半

場所:柏儀式殿
住所 柏市若柴200−1
電話04−7133−4444
最寄駅 つくばエクスプレス(TX)「柏の葉キャンパス駅」より徒歩6分

なお、葬儀はキリスト教式で執り行われ、通夜式はございません。


シリア関連情報サイトについて

インターネット上のシリア関連情報サイト 

当学会員からの情報です。

シリア内戦は、既に7年目を迎えている。しかしながら、日本国内のメディアで現地の状況を把握することは容易ではない。とはいえ、インターネットが急速に発展する中、自宅のPSで現地メディアへアクセスする通信環境は大幅に改善している。特に、現地のTV番組をウェブ上で、ライブ視聴できるようになったことは画期的である。以下に、筆者が利用しているウェブサイトの幾つかを紹介して、現地状況の追跡を読者各位にお勧めしたい。
なお、それぞれのウェブサイトは、接続の難易度や安定性、画像や音声の良し悪しなど、まだ満足できない面もあるので、視聴に当たっては、それなりの工夫も必要である。

1.ウェブのTV ストリーミング・サービス(英語)Aljazeera:http://www.aljazeera.com/watch_now/

2.ウェブのTV ストリーミング・サービス(アラビア語)
1) Orient TV(シリア民営、UAEのドバイに亡命局を持つ):http://orient-tv.net/live/
  ※受信が安定しない時間帯があるが、反政府系の強力なメディアである。
2) Syrian TV(シリア国営): http://live.rtv.gov.sy/Sat.aspx?HQ=1/
3) Sama TV(シリア国営):https://wwitv.com/tv_channels/b6827-Sama-TV-Syria-live.htm
4) Syria News TV(シリア国営、Russia Todayを中継):
https://wwitv.com/tv_channels/b5975-S-News-Syria.htm
5) Aleppo Today(Halab Al-Yawm) (シリア民営、送信はイドリブ県か?):
https://wwitv.com/tv_channels/b5975-S-News-Syria.htm
6)Future TV(民営、レバノン):http://livefuturetv.com/
7) Jordan TV(ヨルダン国営):http://www.jrtv.jo/page.aspx?page_key=key_tv&lang=ar
8) Roya TV (ヨルダン民営):http://www.jrtv.jo/page.aspx?page_key=key_tv&lang=ar
9) Altaghier TV (イラク民営):
http://altaghier.tv/%d8%a7%d9%84%d8%a8%d8%ab-%d8%a7%d9%84%d8%ad%d9%8a/
10) Kingdom of Saudi Arabia KSD2 TV (サウディアラビア国営):
https://wwitv.com/tv_channels/b4374.htm
11) Al-Arabia TV (ドバイ民営):https://www.alarabiya.net/live-stream.html
12) Aljazeera(民営、カタル):http://www.aljazeera.net/broadcastschedule/

3.ウェブの他の情報サイト
1) シリア人権監視団 The Syrian Observatory for Human Rights: http://www.syriahr.com/en/
2) Revolutionary Forces of Syria media office: https://rfsmediaoffice.com/en/#.VytweWxf2M8
3) カタルの衛星TV、アルジャジーラが本年(2017年)7月7日に放映したドキュメンタリー「民衆とパワー People & Power」の「シリア:ジョーバル Syria: Jobar」がダマスカス首都圏の内戦状況を伝える貴重な内容なので紹介する。なお、番組のアーカイブ・サイトは、
http://www.aljazeera.com/programmes/peopleandpower/2017/07/syria-civil-war-arms-resistance-jobar-170704140713612.html


2017年11月18日(土)開催:設立20周年記念パーティー

日本西アジア考古学会
設立20周年記念パーティーのお知らせ

謹啓
秋涼の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、当会は、本2017年をもちまして、設立20周年を迎えることになりました。これも、会員である皆様方のおかげと深く感謝しております。
つきましては、これを記念いたしまして、下記のとおり設立20周年記念パーティーを開催させていただくことになりました。ぜひ、ご参加いただけますように、衷心よりお願い申し上げます。
敬具

2017年10月14日
日本西アジア考古学会
会長 常木 晃


日 時:2017年11月18日(土) 18:00~20:00
※当日は、早稲田大学戸山キャンパス36号館において、学会主催によるシンポジウム「最新科学による西アジア文化遺産の調査と保護」が開催されます。
パーティーはシンポジウム終了後の開宴となり、シンポジウムの懇親会も兼ねています。

会 場:早稲田大学戸山キャンパス
 戸山カフェテリア(38号館1F)

※会場は、「早稲田大学 戸山カフェテリア」で検索

会 費:一般5000円
大学院生・学生4000円

参加申込み先:日本西アジア考古学会事務局
Mail:office@jswaa.org
FAX:029-853-4432

(お電話でのお申し込みは受け付けていません。)
申込み締切:2017年11月3日(金)


学生会員募集中!

本学会では、西アジア考古学の魅力を若い学生さんに知ってもらいたいと
あらたに、「学生会員」を設けました。

これから西アジア考古学を目指そうと思う学生、
西アジアについて興味がある学生、
「学会」「研究者」に興味のある学生…..

ふるってご入会ください。

1. 学生会員になれる資格
学籍を有する方はどなたでも学生会員として入会できます。
ただし、大学院生は含まれません。
また大学生未満の方は入会にあたって保護者の承諾が必要となります。
(お申し込みの際にくわしくお伝えします)

2.会費
学生会員の年会費は2,000円です。
(ご参考:正会員の年会費は7,000円)

3. 学生会員の特典
(1)学会主催イベントへの参加
正会員と同じように、無料もしくは会員特別料金にて、学会の事業に参加することができます。
ただし、総会における議決権と役員への選挙・被選挙権はありません。

(2)学会出版物の配布
正会員と同じように、無料もしくは会員特別料金にて、刊行物(会誌以外)の配布を受けることができます。会誌『西アジア考古学』は配布されませんので、ご希望の方は、2,500円にて購入してください。

※会誌『西アジア考古学』を毎年欲しいという学生さんも、年会費2,000円と会誌2,500円を足しても(4,500円)、正会員7,000円よりは安いので、学生会員として入会されることをおすすめします。

⇒入会方法はこちら


西藤清秀前会長が日本イコモス賞を受賞

西藤清秀前会長が日本イコモス賞を受賞

2016年12月10日に開催された日本イコモス国内委員会の総会において、西藤清秀前会長が、2016年の日本イコモス賞を受賞されました。

受賞理由は、「シリア・パルミラの葬制研究・保存修復と危機に瀕する文化遺産の国際会議の組織化と実践」です。前者は西藤前会長個人のご研究と活動になりますが、後者は西藤前会長の下で学会事業として行ったものです。
西藤前会長も、学会があってこそ実現した取り組みによる受賞で、ご理解いただいた会員ならびに協力者の皆様への感謝を述べられています。

西藤前会長は、授賞式の当日は海外出張で不在でしたが、「シリア考古学会議」に同行した東京文化財研究所の間舎裕生会員が代理で受け取りました。

 

 

■日本イコモス賞
2014年度から、建造物、伝統的建造物群、文化的景観、遺跡である記念物及び歴史風土の保存、保全及び活用の振興をはかるため、文化遺産の保存活用理念、保存活用活動、保存活用プロジェクトの前進に貢献し優れた業績に対して授与される賞。

■イコモス(ICOMOS/ International Council on Monuments and Sites/国際記念物遺跡会議)
文化遺産の保護や研究を行い、世界遺産条約についてはユネスコの諮問機関として活動を行っている国際機関。日本イコモス国内委員会は、イコモスの国内会員で組織されている。

http://www.japan-icomos.org/


川又正智先生のご逝去を悼む

国士舘大学文学部教授であり当学会第5代会長を務められた川又正智先生が、11月21日に突然ご逝去されました。先生のご逝去の報に、日本西アジア考古学会役員一同大変なショックと悲しみに暮れております。先生が西アジア考古学と当学会に残されました多大なご貢献に対して深く感謝申し上げ、先生のご逝去に衷心より哀悼の意を表させていただきます。

2016年11月22日
日本西アジア考古学会
会長 常木 晃
役 員 一 同


三笠宮崇仁さまのご薨去について

三笠宮崇仁さまのご薨去の報に接し、日本西アジア考古学会として深く哀悼の意を表します。
三笠宮崇仁さまは、長年にわたりオリエントの古代史および考古学をご研究なされ、多くのご著書や論文を著されるとともに、大学おいて後学の指導にあたってこられました。当会におきましても、三笠宮さまが総裁を務められておられた中近東文化センターを会場に、2001年6月に開催させていただきました日本西アジア考古学会第6回総会・大会において、ご講演を賜りました。ご自身で撮影なされた膨大なお写真を吟味され、西アジア地域における黎明期の日本隊調査について大変ご丁寧なお話しを賜ったことが、深く私どもの胸に刻まれております。
三笠宮崇仁さまがオリエント古代史および西アジア考古学研究に残されました多大なご貢献を偲び、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

2016年10月28日
日本西アジア考古学会
会長  常木 晃


「シリア文化財支援事業」についての報告とお知らせ

 2015年12月3日から6日の4日間、レバノン・ベイルートにおいて「シリア考古学会議」(正式名:シリア考古学文化遺産国際会議)を15か国200余名の参加を得て、無事開催することができました。シリア本国から31名の文化財関係者が参加し、58の口頭発表と18のポスター発表がおこなわれ、参加者の方々から充実かつ有意義な時間を過ごしたとの言葉を頂きました。
 これもひとえに会議開催にあたってご寄付頂いた方々のお陰と深く感謝しております。また、もう一つの支援である「博物館収蔵品梱包資材提供」についても日本の博物館で使用されている薄葉紙を持参し、シリア側に贈呈いたしました。帰国後すぐに展示品の梱包に使用したいとのこと、非常に喜んで頂きました。
 今回の会議開催と資材提供という「シリア文化財支援事業」は、シリアの人々はもちろん海外からの参加者の方々にも非常に満足して頂ける事業となり、一応の終結を見ました。そのため2016年3月末日をもって寄付の口座を閉めることと致します。
 寄付で頂いた資金はまだ少し残っておりますが、今後ともシリア側が求める資材提供等を実施していきたいと考えております。会員の皆様方にはご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

2016年2月

シリア考古学会議についてはこちら