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2025年4月20日開催:講演会・体験型イベント「バーレーンの歴史と文化」

講演会・体験型イベントのご案内をいただきましたのでお知らせします。

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講演会・体験型イベント「バーレーンの歴史と文化」

 中東のバーレーンは、東京23区ほどの小さな島国です。この国に、皆さまはどのようなイメージをお持ちでしょうか?真珠や石油の国、あるいは近年メキメキと頭角をあらわしてきたサッカーの新興国、そのようなイメージをお持ちかもしれません。実は、このバーレーン、古代遺跡の宝庫でもあります。とくに世界最大の古墳群は有名です。総数は7万5千基、世界にこれほどまでに古墳が密集する場所は他になく、バーレーンの古墳群は世界遺産にも登録されています。
 これらが造られたのは、今からおよそ4千年前、バーレーンにディルムンと呼ばれる古代文明が栄えた時代でした。ディルムンは、メソポタミア文明とインダス文明を結ぶ海上交易を独占し、繁栄したことが知られています。バーレーンには、ディルムンの王都や神殿、巨大な王墓の遺跡などが残されています。
 さて、いよいよ4月に大阪万博が開幕します。バーレーン政府も、万博にパビリオンを出展します。東京文化財研究所は、長年、バーレーンにおいてディルムンの古墳群の発掘調査を行ってきました。そこで、バーレーンの歴史と文化をより多くの方々に知っていただきたく、東京でもバーレーン文化古物局とイベントを共催することにしました。バーレーンや日本の考古学者、古墳の伝道師まりこふんさんによる講演のほか、子供から大人まで楽しんでいただけるVRゴーグルなどを用いた体験型イベントも多数ご用意しております。ぜひご参加ください。

日程:2025年4月20日(日)13:00〜17:00
共催:東京文化財研究所、バーレーン文化古物局
会場:東京文化財研究所地下一階セミナー室
   https://www.tobunken.go.jp/japanese/navi/map.html
参加方法:参加費無料、事前申込制
定員:110名(先着順)
参加対象小学生からご参加いただけます。
申込先・問い合わせ先:東京文化財研究所 安倍雅史 abe-m6e@nich.go.jp

第一部 講演会(13:00〜15:30)
オープニング
   13:00〜13:10 「開催挨拶」
    シェイク・ハリーファ・ビン・アハマド・アル=ハリーファ王子(バーレーン文化古物局総裁)
考古学が解き明かす古代のバーレーン
   13:10〜13:50 「バーレーンの古代と考古学」
    サルマン・アル=マハリ(バーレーン文化古物局考古局長)(逐次通訳あり)
   13:50〜14:10 「謎の海洋王国ディルムンとその古墳群」
    安倍雅史(東京文化財研究所)
  14:10〜14:30 「知られざるタイロス(ティロス)文化の古墳が語る葬送観念」
    西藤清秀(奈良県立橿原考古学研究所)
日本の古墳とバーレーンの古墳
  14:30〜14:50 「日本の群集墳からみたバーレーンの古墳群」
    河野一隆(東京国立博物館)
  14:50〜15:10 「いろんな古墳の楽しみ方」
    まりこふん(古墳にコーフン協会)
休憩   15:10〜15:15
対談
 15:15〜15:30 対談「バーレーンの遺跡の魅力、その楽しみ方」 
   司会:安倍雅史 
   パネラー:サルマン・アル=マハリ、西藤清秀、河野一隆、まりこふん、野口淳(公立小松大学次世代考古学研究センター)

第二部 体験型イベント(15:30〜17:00)
① バーレーン文化古物局
 パネル展示や映像を通じてバーレーンの歴史と文化を紹介します。バーレーンには客人をアラブコーヒーとデーツでもてなす伝統があります。皆様にアラブコーヒーとデーツ、そしてコナーファと呼ばれるアラブの伝統的なスイーツをお楽しみいただきます。
② 奈良県立橿原考古学研究所
 バーレーン、マカバ遺跡で発掘されたタイロス時代の古墳墓室内部をVRで探検していただきます。
③ 東京文化財研究所
 VRゴーグルを着用し、ディルムンの最後の王ヤグリ・イルが埋葬された巨大古墳アアリ王墓群8号墓の内部と、発掘中のディルムンの庶民が埋葬された古墳を探検していただきます。
④ 公立小松大学次世代考古学研究センター
 VRゴーグルを着用し、中米に栄えたマヤ文明のコパン遺跡のピラミッド内部を探検していただきます。
⑤ 株式会社ホロラボ
 裸眼立体視ディスプレイ、Apple Vision Proという最新の機材を体験していただきます。
⑥ 飛騨市・石棒クラブ・名古屋大学・TOPPAN株式会社 
 縄文時代の祈りの道具「石棒」、古代オリエント各地(メソポタミア、ディルムン、インダス)の「印章(ハンコ)」を用いた神経衰弱ゲームを行います。
⑦ 株式会社 ニコン
 無形文化財を3次元で動画撮影できる最新のボリュメトリックビデオ、有形文化財を3次元スキャンできる3Dスキャナーを体験していただきます。今後、文化遺産の記録への活用が期待されています。
⑧ Niantic(協力:モバイルスキャン協会)
 Nianticの無料アプリScaniverseを利用して、文化財の3次元計測を体験していただきます。