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2023年2月14日開催国際ワークショップ:「中央アジア東部地域での定住集落の出現」

国際ワークショップの案内をいただきましたので、お知らせします。

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国際ワークショップ 中央アジア東部地域での定住集落の出現

開催趣旨:
 近年の考古学調査の進展により、西アジアから中央アジアへの農耕牧畜文化の波及にかんする考古学的証拠は格段に増加した。特に、これまで資料が手薄であった中央アジア東部地域での最古の家畜の年代が紀元前6000年頃に遡る新発見は記憶に新しい。
 一方、地域によっては周辺と比べて農耕牧畜の導入が著しく遅れる地域も存在する。砂漠、山地、ステップなどがモザイク状に入り組む独特の自然環境のほか、食料生産経済が最も早く進行したもう一つの核地帯である中国と接するその地理的位置が、中央アジア東部地域での農耕牧畜の受容や生業のあり方に多様性をもたらしているとも考えられる。
 本ワークショップでは、中央アジア東部の新石器化に関する最新の研究動向を踏まえつつ、農耕牧畜とならぶ新石器化の指標である定住について着目する。中央アジア東部最古の農村の一つであるウズベキスタン、フェルガナ盆地のダルヴェルジン遺跡の生業に関する最新の研究成果から、この地域で定住村落が出現した背景について考える機会としたい。

日時:2023年2月14日(火) 13:00-16:30
開催方式:対面(金沢大学)・オンライン(Zoom)
参加方法:要事前登録。下記の問い合わせ先までメールにてお申込ください(2/13締切)
言語:日本語・英語(通訳なし)
主催:科研費基盤研究A「原シルクロードの形成」研究グループ
共催:金沢大学古代文明・文化資源学研究所、科研費学術変革領域研究A「中国文明起源」(代表:中村慎一)

プログラム
13:00-13:10 開会挨拶・趣旨説明
 久米正吾(金沢大学)
13:10-13:40 キジルクム砂漠とその周辺の「新石器化」:ウズベキスタンのアヤカギトゥマ遺跡(ケルテミナル文化)
 ヒクマトゥッラー ホシモフ(サマルカンド考古学研究所)
13:40-14:10 ダルヴェルジン遺跡:フェルガナ盆地の「新石器化」と青銅器時代における定住のはじまり
 久米正吾(金沢大学)
14:10-14:40 中央アジア東部での初期の雑穀利用と乳利用:ダルヴェルジン遺跡出土土器脂質分析
 宮田佳樹(東京大学)
14:40-15:00  休憩
15:00-15:30 中央アジア東部への家畜の波及とダルヴェルジン遺跡での家畜飼育
 新井才二(東京大学)
15:30-16:00 安定同位体分析によるダルヴェルジン遺跡出土家畜の食性評価
 覚張隆史(金沢大学)
16:00-16:30 自由討論

お問い合わせ・事前登録
金沢大学古代文明・文化資源学研究所
久米正吾(shogo_kume@staff.kanazawa-u.ac.jp)

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International workshop
Considering the emergence of village life in eastern Central Asia

Date: February 14, 2023 (Tue.) 13:00-16:30
Venue: Kanazawa University and online (Zoom)

Program
13:00-13:10 Opening remarks Shogo Kume (Kanazawa University)
13:10-13:40 “Neolithization” in the Kyzylkum Desert and beyond: A Kelteminar site of Ayakagytma in Uzbekistan
 Hikmatullar Hoshimov (Samarkand Institute of Archaeology)
13:40-14:10 Dalverzin: “Neolithization” and early sedentarization in the Fergana Valley in the Bronze Age
 Shogo Kume (Kanazawa University)
14:10-14:40 Early millet and milk utilization in Eastern Central Asia: Lipid analysis in pottery from the Dalverzin Site
 Yoshiki Miyata (The University of Tokyo)
14:40-15:00 Coffee break
15:00-15:30 Dispersal of domestic ungulates into the Eastern Central Asia and livestock economy at Dalverzin
 Saiji Arai (The University of Tokyo)
15:30-16:00 Reconstruction of diet signature in Dalverzin site using stable isotope analysis
 Takashi Gakuhari (Kanazawa University)
16:00-16:30 Discussion

Contact:
Shogo Kume (shogo_kume@staff.kanazawa-u.ac.jp)
Institute for the Study of Ancient Civilizations and Cultural Resources, Kanazawa University