その他の研究会等

2021年3月21日開催:フェニキア・カルタゴ研究会第6回公開報告会

オンライン研究会の案内をいただきましたのでお知らせします。

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フェニキア・カルタゴ研究会第6回公開報告会

昨年度、一旦中止となった第6回公開報告会を以下の要領で開催いたします。
今回は、文献史料・考古資料等を用いる歴史的側面からのアプローチのみならず、衛星画像を用いた地形や立地等の観点からの考察も含め、4つの報告を準備いたしました。卒業論文の発表や修士論文の中間報告など、若手の報告も含まれています。さまざまな方向性からフェニキア・カルタゴ研究の「今」に迫りたいと思います。

日時 3月21日(日)13時30分から16時
Zoomによるオンライン

参加方法
参加をご希望の方は、3月19日(金)までに下記のフォームからお申込み下
い。3月20日(土)までに当日のリンク先など参加方法をお知らせします。
https://forms.gle/TF8V4nqjhRF7Ef8Z6

主催 フェニキア・カルタゴ研究会
JSPS科研費 16K03131 (研究代表者 佐藤育子) 地中海におけるフェニキア・カル
タゴ文化の発展と変容
研究会HP http://phoenician-punic.pya.jp/

*ご不明な点は、申込フォームの質問欄および(佐藤)isatou@fc.jwu.ac.jp
までお問い合わせください。

・・・・・・・・・・・・プログラム・・・・・・・・・・・・・
13:15 入室開始
13:30 開会の辞
13:35 ①「フェニキア・カルタゴ研究の現状と課題」 佐藤 育子(日本女子大学)
13:55 ②「フェニキア西方進出の始まりとその背景について」 山﨑 翔太(駒澤大学)
14:15 ③「カルタゴとイベリア半島のフェニキア人植民市の関係について」日野 貴裕 (法政大学)
14:45    休憩(15分)
15:00 ④「シチリア島とイベリア半島におけるフェニキア植民都市の立地と形態
– 衛星データの分析を通して」 小方 登  (京都大学)
15:40 ディスカッション 司会  青木 真兵(関西大学)
16:00 閉会

・・・・・・・・・・・各報告の発表要旨・・・・・・・・・・
第1報告 佐藤育子「フェニキア・カルタゴ研究の現状と課題」
発表要旨:
西洋古代史の研究分野において、100年以上に及ぶ学問的蓄積のあるギリシア・
ローマ史研究にくらべ、フェニキア・カルタゴ史は、大きくその後塵を拝してきた。しかし、ここ数十年あまりの国際規模での発掘成果と研究活動の進展により、この学問分野も大きな転換点を迎えようとしている。本発表では、近年の国際学会の発表における傾向や研究動向を分析し、フェニキア・カルタゴ研究の置かれた現状と課題を簡潔に紹介し報告したい。

第2報告 山﨑翔太「フェニキア西方進出の始まりとその背景について」
発表要旨:
フェニキアの西方進出および、フェニキアを取り巻く東地中海世界の変化との関係性についてまとめた卒業論文について発表する。ここ数十年の間で活発な研究が行われるレバントのドール、スペインのウエルバの先行研究を基にフェニキアの西方進出開始年代を特定し、その後、西方進出がなぜ、どのように進められたのかについて西方進出前後の東地中海世界における変化などから考察を試みる。

第3報告 日野貴裕「カルタゴとイベリア半島のフェニキア人植民市の関係について」
発表要旨:
本報告は、カルタゴが台頭した前6世紀頃から第二次ポエニ戦争が終結する前3世紀末までの間の、カルタゴとイベリア半島のフェニキア人植民市の関係について取り扱う修士論文の中間報告である。両者の間には「同盟関係」が存在したと指摘されているが、この点について両者の商業的関係、軍事的関係、同族関係を踏まえて考察する。

第4報告 小方登
「シチリア島とイベリア半島におけるフェニキア植民都市の立地と形態 - 衛星データの分析を通して」
発表要旨:
本発表では、フェニキア系都市の立地における、地形的条件を検討する。地形を調べるために、従来は紙の地形図を使ったが、中東諸国などでは地形図が利用できないことが多い。その欠如を補完するため、発表者は衛星観測データの利用を提唱してきた。世界の地形データとしては、JAXAのものなどがネット上で無料で利用できるようになったので、これらの利用事例を紹介する。フェニキア系都市は、半島や本土に近い小島に立地するといわれるが、こういった点について考察する。

ディスカッション 質疑応答
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